2021 公式記録会#2 後編

学生フォーミュラ日本大会初となる公式記録会は3日程を無事終了。雨の中有力チームが揃った最終日はまた後日書くとして、今回は公式記録会2回目後編。公式記録会2回目は走れたチーム多く、大阪大学、新潟大学、山口東京理科大学からコメントをもらうことが出来た。

苦しいながらも2人で9周をつないだが・・・

今回参加したチームの中にはシェイクダウンして間もないマシンを持ち込んだところも少なくない。阪大もそのひとつで、活動制限が続き10月にようやく今年のマシンをシェイクダウンした。記録会までには泉大津やスポンサーのコース等でテストはしてきたようだが、記録会はトラブルに見舞われスキッドパッドとアクセラレーションは出走出来ず、なんとか修復して走らせたオートクロスは2本のパイロンタッチをして72.486sec、この日9番手という悔しい結果に終わった。「直前の走行会や(当日エコパの)プラクティスでサスペンションのセッティングを行ったがドライバーの思うような車両挙動にならなかった。」「シフターやブレーキのトラブルにより思うような走りは出来なかった。」ペナルティ無しだったとしても8番手、これまでの阪大の実力を考えれば厳しい状況は明らかだ。

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朝イチ、スキッドパッドを走る前提のセットで持ち込んだが、想定外のトラブル対応に時間を費やしオートクロス向けの変更を出来ぬままオートクロスを走行したという。走行後のタイヤ表面を確認して、エンデュランスに向けてセットを変更。ダンパーにも若干のセット変更を加えたとのこと。

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エンデュランスを走ったドライバーは2人ともエコパ初走行となるルーキードライバー。「タイヤの温まりは想定よりも悪かった。」「ブレーキへの不安から十分に加減速ができず、パイロンタッチも目立った。」と苦しいながらも2人で9周をつないだが、残り1周のところでマシントラブルでリタイヤとなってしまった。チームは厳しいマシンで初のエンデュランスを終えたドライバーに「新人で初めてのフルコースの走行となったが、その割にはよく走れたと思う。」「直前の走行会よりも走りが良くなっており、今後たくさん練習していけばもっと良くなると感じた。」と労いの言葉を語った。

以下、コメント抜粋

「例年に比べて極端んに走行距離が短い状態での記録会だったこともあり満足いく走行はできなかったが、1年間の活動の一区切りとなり,また下級生の刺激にもなったようで,記録会に参加することができてよかった。」

「今後ブレーキの悪さなど今分かっている問題について対応していきつつ,次年度に向けてアップデートを進めていきたい。」

「記録会を開催してくださった皆様,誠にありがとうございました。」

「アスファルトが細かいため路面μが低く感じた」

これまで富山大学や北海道大学など立地的に不利なチームいくつか取り上げたが、こちらも6時間以上かけ日本横断してエコパにやってきたチーム、新潟大学だ。すでに伝えたように今回の記録会のオートクロスは1ドライバー1アタック、本当の一発勝負で行われた。他のチーム同様に彼らもこれを意識してセットしてきたという。「リアのスタビリティを確保し、攻めれる車にした。」「リアのトーインを調整し直した。」とのこと。またタイヤの発動を気にしてかホッカイロを巻きつけるユニークな『タイヤウォーマー』を装着していた。効果が気になるところだ。

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普段からなかなかエコパを走行する機会の無い彼らは「(エコパは)普段試走を行なっている駐車場と比較してアスファルトが細かいため路面μが低く感じた。」と話すように路面の違いにも苦労したようでドライバーも攻めた走りが出来なったという。マシン的には燃調、吸排気の特性がいまいちで、ブレーキングでのジャダーも酷く乗りにくいマシンだったとか。記録は78.438秒、11番手タイムとなった。

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オートクロスを走ったドライバーのコメントや車両挙動からリアのトーインを再調整、ブレーキバランスも見直してエンデュランスを走る。
なんとか前半5周を走り切るも、ドライバー交代して3周目でリタイア。エンデュランスに向けたセット変更について「セッティングを見直したが、やはり付け焼き刃の対処ではうまくいかなかった。」と話す。

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以下、コメント抜粋

車を作って走らせることが出来たこと、また来年に向けての改善点が見えたのは大きな収穫でした。弱点であるコーナリングスピードの改善のためにもさらなる軽量化が必要があります。来年度は10インチ化を予定しており、軽量化への第一歩となるように引き続き頑張っていきます。」

「ドライバーには感謝しかありません」

2019年大会ブレーキトラブルが発生、今年度車両でも同様のトラブルが発生する中で記録会前日まで原因究明を進めて来たという山口東京理科大学は無事ブレーキテスト(4輪ロック)をクリアして走行に進んだ。

学生フォーミュラのブレーキは既製品を多く採用するものの、ペダルやマスターシリンダーの配置、ラインの取り回し等は学生が設計製作、加えて走行前のエア抜きも彼ら自身で行われる。そのためブレーキに課題を抱え、ブレーキテスト(4輪ロック)をクリア出来ないチームも多くいる。

無事ブレーキをクリアした彼らだがすぐに次の試練が待っていた。「暖気の段階で燃圧下がって、(オートクロスの)ストレートで加速できなかった。」と話すようにオートクロスは燃料ポンプにトラブルを抱えた状態でアタックとなった。結果はパイロンタッチなどペナルティは無し、69.267secを記録して5番手タイムで終えた。チームは「(トラブルを抱える中で)69秒というタイムを刻んで帰ってきたドライバーには感謝しかありません。」と話す。

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エンデュランスに向けては燃料ポンプを交換して燃圧トラブルは解消。『念には念を』でプラクティスコースでマシンをチェックして備えたという。1周目こそ81秒台だったが、2周目からは平均タイム76秒前半で安定して走行し無事完走を果たした。「本来のペースでは無く、ドライバーも攻めきれていなかったがパイロンタッチも少なくクリーナ走行が出来たことはポジティブなポイント。」と話す。

今年、東京農工大メンバーが中心となって製作した学生フォーミュラ公式シミュレータが発表され、記録会を前に山口東京理科大もこれを導入したとか。予習の成果が出たとみて良さそうだ。

以下、コメント抜粋

「例年通りマシンを完成させることができ、悲願のエンデュランス完走も達成できたので、メンバーはじめチームを支えてくださったスポンサー企業の皆様には大変感謝しています。」「スキッドパッドに出走できないなど、まだまだトラブルは沢山ありますが、今回の記録会のノウハウをもとに下級生には来年度車両の開発を頑張って欲しいです。」

公式記録会1回目の時よりも気温が高く、雲も少ないように見えた公式記録会2回目は完走率も高く3日程の中で最も参加チームの満足度が高かったじゃないだろうか。
一方、雨によってハードモードでの開催となった公式記録会3回目、何チームが全種目完走できたのか。その中身は次の『2021 公式記録会#3』で。

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