JilinEV、暫定トップを奪う圧巻の64秒台【学生フォーミュラ2025】
2025年9月8日から13日の6日間、愛知県常滑市のAichi Sky Expoで開催されている学生フォーミュラ日本大会2025は今日で4日目を迎えた。予報通り朝は雨がぱらつき、路面も濡れた状態だったが、8時のオートクロス午前セッション開始時にはドライパッチが見え始め、完全にスリックで走れるコンディションに変化した。最初にコースへ入ったのは東北大学。雨を警戒して唯一ウェットタイヤを選択した。その後方では上位チームがタイヤ選択に頭を悩ませる姿もあったが、最終的にはいずれもスリックで走行に臨んだ。
8時30分頃、大阪大学、京都工芸繊維大学、同志社大学の3校が同じタイミングでアタックを開始。京都工芸繊維大学はセカンド、大阪大学はエース、同志社大学はセカンドドライバーを起用した。京都工芸繊維大学と大阪大学は66秒台を記録するも、いずれもパイロンタッチで不発。その中で65.995秒をマークし、頭一つ抜け出したのは同志社大学だった。「朝のコースウォークの時点で、コースの山の部分が乾いてきていた」「雨雲レーダーをみて出走タイミングを決めたが、暖機して並べにいくと思ったよりも早いタイミングでの出走になった」「路面は見た目以上に滑る感じがした」「マシン的に進入で向き変わる方向で持ち込んだ」「入口で一気に向きを変えて、向きが変わったらトラクションをかけてくようなマシンにした」「その特性と路面とが相まってリアが滑りやすい印象だった」「ただマシンとしては手応えがある」と語ったのは午前を担当した同志社のドライバー。しっかりとタイムを残し、暫定2番手で午後のエースに繋げた。



続いて関西勢に続き午前中に走行を行ったのは日本自動車大学校。朝はピットでタイヤを付けず、コンディションを見極めてからの出走となった。関西勢から30分遅れてアタックしたが、わずかに雨粒を感じる状況でも落ち着いた走りを見せた。「出走タイミングは狙っていたところよりも遅かったが、思いの外良いコンディションで走れた」「昨年はアンダーステアでミスを誘発するような感じだったが、今年のマシンは曲がるようになって落ち着いて走れた」「それでも持ち込みは曲がる方向にしすぎたかも知れない」「路面コンディションは良くて、1周目の第2スラロームあたりではグリップが来ている感じだった」「午後に向けてはさらに上がる可能性もあるが、このまま雨が降ってくれればポジションキープでいけるのでそれでもいいかなと思う(笑)」とコメント。66.373秒をマークし、暫定3番手につけて午前を終えた。



そして衝撃的な走りを披露したのはJilinEVだった。昨年は車検に苦戦して動的種目に出走できなかったが、今年は準備を整え堂々と登場。そのポテンシャルを一気に示してみせた。リアが沈み込みながらトラクションをかける挙動を見せる一方で、路面状況もあってスライドが目立つ走り。それでも64.519秒を叩き出し、暫定2番手の同志社を1.5秒ほど突き放す圧巻のタイムを記録した。ドライバーは「車のバランスは良くなかった」「タイヤもUsedで良い状態ではなかった」「至る所でスライドしていて、とにかくルーズだった」「ただとても楽しんで走れた」と語る。Usedタイヤでこのタイムは驚異的であり、さらに「午後に向けては2秒ほど上がる余地がありそう」とも話した。午後は国内勢のエースドライバーたちが控えており、激しいタイム合戦に加わるのは必至だ。オートクロス午後セッションは15時15分から17時30分に行われる予定だ。



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