順調に走行を重ねる神戸大学、他大学も次々コースイン【2023関西合同テスト】
日差しが強くなった午後のセッションはエンデュランス相当のコースが用意された。京工繊は5周を2回走行した後エンデュランスを担当するだろうドライバー2名を乗せてエンデュランスシミュレーション(本番想定の20周走行)を開始する。マシンの動きを見ると少しリアに軽さを感じる。低荷重コーナー、高荷重コーナー問わずリアが流れていく様子が見られた。それでもライバルに対しては速さがあるところはさすが王者といったところ。そんなマシンで10周を走り切ってドライバー交代。2人目が走り出してすぐ速さを見せタイムの更新を続けるが、トラブルが起きたのはドライバー交代して4周目。コースの奥から聞こえる音が急に大きくなる。その直後マシンはスローダウン、S字でマシンが止まった。
この時走行していたドライバーは「S字のところ、アクセルを踏んでいったところで急に(異変が)おきた」と話す。マシンは吸気系にトラブルが発生しておりチームはここで走行を終了。エンジン内部への影響も心配されるとのこと。フィーリングは「今回、内圧とかいろいろ試しているのもあるが、グリップが薄い」「(前回から)オーバー気味のセットに変えて、低速コーナーは良くなった(アンダーが減った)が全体的に(グリップが)薄くなっている」と速さは維持しているものの、ここにきてセットアップは苦戦している様子。
次に、午前のアクセラで調子を取り戻した神戸大が走行を開始する。周回でも好調さは変わらず、最終コーナーの立ち上がりからストレートはこのテストで最も迫力があった。またウイングにはタフトを付けるなど順調にテストをこなしていた様子。一方でマシンのセットアップはこれから、という印象。低荷重のコーナーでは少し曲がりづらそうな印象を受けた。ドライバーが強めに舵を入れるが、マシンとしては曲がる動きになかなか入らず苦労している印象だった。その後ドライバーを交代。こちらのドライバーの方が速さのある印象で、この日の京工繊との差が5秒を切ってきた。さらに別のドライバーに変えて、前後ウイングも外して最後まで走行。神戸大のフロントウイングの地上高が極めて低く、路面の影響を受けてか、最終コーナー等ところどころで路面と干渉する音が聞かれた。最後ウイングを外したのは、路面干渉も理由にあったか。
午後には同志社も走行準備が整った様子。目を引くのはマシン後端に付けられた比較的小さなウイング。もちろんこれ単体で効果を狙ったものでは無く、これはビームウイングとして付けられたもの。本来はこの上にメインのリアウイングが乗って、フロントにもウイングが搭載されるとのこと。同志社は翌週に富士エアロパフォーマンスセンターでの試験を控えているらしく、破損によって試験が出来なくなるリスクを考慮して今回のテストはビームウイングだけでの走行となったようだ。先週にもここ泉大津でテストをした同志社、走行したドライバーは「前回よりもタイムは上がったが、もう少し詰められると思っている」「前回が初めての走行で、GoPro等で見直してコーナーでのアクセルオンのタイミング等いろんな方にアドバイスをもらって修正してきた」「マシンはタイヤのリム幅を上げて、本番仕様で初めて走行した」「ターンインでのアンダーが前回よりも改善して、効果は感じられた」「リアのトラクションのかかりよりは、フロントの安定感の方が効果を感じた」とのこと。
続いて、岡山大学もコースにマシンを出した。昨年大会のフォローアップ走行(競技には含まれない走行枠)でコース走行をしているが、エンジンがしっかり回って走ったのはこれが初めてだという。ドライバーは「率直に楽しかった」「スタートして直線からの高速コーナーが楽しい」と笑みがこぼれたのが印象的だった。
この日、なんとか最後にコース走行が出来た大阪公立大学。初めてコースを走ったドライバーは「マシンが全然完成していなくて、ステアリングの舵角も足りない」「燃調も合って無くて、アクセルを戻しても回転数が戻らないような状態」「走るのがいっぱいいっぱいで、いろいろ難しかった」と話す。ただこのドライバーとマシンを囲むチームの表情は岡山大学同様に明るい。