異次元の速さで王者奪還

大会最終日、12時30分から始まったエンデュランスFinal6は早稲田大学が時間通りに出走出来ないトラブルがあったが、富山大学を繰り上げて、日本自動車大学校と2台でスタートした。勢いよく1コーナーに入っていった日本自動車大学校はスピンやコースオフがあったものの、ドライバー交代後もプッシュして見事完走。富山大学はエースドライバーを先に入れてタイヤの美味しいところを先に使わせたと見る。ここでもタイムを執拗に求めてきた印象。後半ドライバーは丁寧に走って見事完走。カーナンバー30らしからぬ走りで観客を沸かせた。

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photo by @125ascot
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次の組、岐阜大学とスタートを見送った早稲田大学がエンデュランススタート。オートクロス60秒台を出したマシンはエンデュランスでも守りに入ることなく攻めの走りで3周目に65.9秒を出して速さを示す。しかし喜びも束の間5周目にT2で駆動を失ってリタイア。早稲田大学はペース苦しいながらも10周を走りドライバー交代まで辿り着く。後半ドライバーを乗せて準備するがエンジン再始動出来ずリタイアをなった。

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岐阜、早稲田のリタイアに会場が『これも学生フォーミュラだった』と現実を見せられため息をついた。しかし彼らの登場で期待満ちた空気が戻ってくる。名城大学と京都工芸繊維大学の登場、その走りを見ようとコースを囲うフェンスには隙間無く観客、関係者が張り付いた。

名城大学はアウトラップ71秒で回ると、秒単位でタイムを上げていき4周目には65秒台に入る。「初めて使うコンパウンドで不安はあったが、エースドライバーからアドバイスがあって1周目慎重にいった」とのこと。その後は67〜8秒をコンスタントにラップして、ドライバー交代へ。「走り始め問題無くセットアップも良かった、終盤少しタレを感じた程度」交代直前、10周目にはすぐ後ろまで京都工芸繊維大学に追いつかれるもタイミング良く青旗は回避、2台でドライバー交代へなだれ込む。「京工繊が迫ってきて怖くて、コーナーポストから人から出て来た時は青旗かと思ったらチェッカーが出てきて安心した」とここでは名城が少し得をする。ドライバー交代してエースドライバーが乗り込むが1発での再始動出来ず、周囲のスタッフも心配そうに見守る状態に。「周りは心配してたと思うが、自分は意外と落ち着いていた」「これまでも同じ症状があったため自分がやれることをやって始動することが出来た」無事始動してコースイン、66秒台で入った後半ドライバーはその後64秒台を刻む。「走り出した時マシンのバランスは良かったが、タイヤは熱ダレした状態だった」「走らせ方を変えて、向き変えを早くして凌いだ」とのこと。5周目にベストタイム64.284を出すもその辺りからガス欠症状が出始めて最後の方はギリギリだったという。「症状出てからはシフトアップダウンを減らしたり、アクセルを早めに離したりした」と話す通りモータースポーツのキャリアを生かして見事完走を果たした。

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コースに入って来るところからすでにオーラを醸し出した京都工芸繊維大学、その雰囲気を裏切ることなくアウトラップから65秒をお見舞いする。2周目には64秒台を出した後、関係者の「そんなハイペースで大丈夫か?!」という心配をよそに63秒台を連発。「Newで出た時はターンインがアンダーで、少しアクセルを開けていくとニュートラルなバランスになった」「最初からグリップが出ていて、ラップも1秒以内に収められて満足はしている」と話すようにマシンのバランスは上々だったようであのペースも頷ける。しかし6周目以降はペースが一旦落ち着く。「5周目辺りからリアが落ちてきてターンインでもオーバー、アクセルを戻してもオーバーが出る状態だった」とのこと。その状態で10周目、名城に付き合う形でドライバー交代へ。サポートメンバーの落ち着いたオペレーションでエースドライバーへ交代する。エースドライバーは「オートクロス時からの変化は少なく安定していた」というコメントの通り交代してすぐに65秒台を出すと63〜4秒台で平均的なラップを続ける。ただロングランの課題はあったようで「後半リアのバランスが悪くなって、怖くてステアリングを切れなくなってきた」という。そんな中でも18周目には63.313を出してファステストを獲得、ライバルに一瞬の隙も見せる事無くエンデュランスを完走した。

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