学生フォーミュラ2022 同志社大学|ちょっと違う?いや、だいぶ違う!
今のところ10インチに変更した部分の走行トラブルは出ていないというが、ホイールでは少し苦労したようだ。今回同志社大学はアルミ3ピースホイールを採用、過去には名古屋工業大学や神戸大学も採用実績のあるもの。チームの担当者もそれを思って購入したが不運にもエア漏れが判明し修理するはめになってしまった。結果としてその他の経費も重なり担当者も「1ピースマグネシウムホイールの方が安いくらいのお金がかかってしまった。」と苦笑い。タイヤはR25Bの後継コンパウンドのR20を履く。13インチがR25Bだったためその流れを組んでの選択か。大阪大学、京都工芸繊維大学が履くLC0に対して温度が高いところのアドバンテージも狙っているとか。
大会不参加となった2017年以後の同志社大学は『それまで先輩たちがやってきたことを取り戻すことに精一杯で、マシンには少しだけその年々の個性が垣間見えるくらい』というのが正直な印象だった。しかし、繰り返すが今年の同志社大学にそんな印象は一切無い、それは意欲的なマシンだけでなくマシンを走らせるチームにも現れる。
レーシングカーのテスト走行というと、マシンがピットアウト-インを繰り返し次から次へとタイヤや新しいパーツの評価をしているイメージがあるだろう。ところが学生フォーミュラはそうもいかない。走っている時間よりもピットで修復している時間の方が長い、シェイクダウン直後であればピットテントに1時間籠もることもざらにある。
この日の同志社大学にもトラブルが相次いだ。駆動系トラブルを解消したと思ったら、次はシフター系にトラブルが発生。それを直したと思ったらセンサー系トラブルが、と心が折れそうな状況が続く。あの手この手をトライして修復、動作チェック、失敗を何度も繰り返すピットテントの中では「なんでえ」「あかんわ・・・」と声が漏れる。ただ解決した際には「よし!」と声が出れば拳も握る。この、マシンが直った瞬間にチームの素性が出るような気がする。ぱっと明るく切り替わる様子からチームの高い熱量が感じられるのだ。
結果としてトラブルシューティングに多くの時間を費やすことになったが、彼らのなんとか走らせようとする意思は凄まじく同志社大学の復調を感じさせた。
1988年生まれ。大学在学中に学生フォーミュラに参加し、卒業後は自動車業界を経験。現在はモータースポーツを主軸とする技術ジャーナリストとして活動する。学生フォーミュラを起点に、競技車両の設計思想や製造の現場、競技を支えるエンジニアの思考を取材・執筆。技術と競技のあいだにある「それを作る人たちの思考」に関心を持ち、現在は国内外のレース車両開発や人へと取材領域を広げている。







