その男、ポジティブにつき【名城大学】

またフレーム設計手順を変えたことでサスペンションジオメトリーの課題も改善したとか。これまではジオメトリー設計が後手に回っていたことで、セッティングを変えても大きく改善することが難しかったようだが今年は彼が思い描くジオメトリー設計が出来たという。他にもサスペンションでは新たにエボサスも採用している。エボサスは名工、工繊、阪大なども採用しており上位チームでは標準装備になりつつある。『エボサスは某チームの某メンバーから勧められてとりあえず付けてみました(笑)』と必ずしも理詰めだけではない柔軟さも見せる。

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2019年のオンボード映像を見て彼のドライビングとマシンのアンマッチ、マシンの動きが大きいことが気になっていたためバネ系についても聞いてみた。『バネ系は2019年大会が終わったあとすぐに上げて(硬くする方向で)テストして効果を確認しました。』『エアロも効かせたいのでバネ系は今年上げました。』とのこと。具体的な数値は載せられないが、比較的硬い方向に振っている上位チームと同じくらいになってそうだ。

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こうして迎えたシェイクダウンは『2019年マシンとはもう別のクルマという感じになりました(笑)』とかなりの好感触を得たようだ。エボサスはスラロームで大きな効果を得られたようで格段に曲がる方向になったとか。ただ『変更したところのネガも確認できたのでこれから対策していきます。』と話すように、ステアリング切り始めのフロントグリップが薄いところもあるらしく、エボサスのパラメータを見直すとともにジオメトリーにも手を入れていくとのこと。

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もう一つ彼が話の中で繰り返したワードは『安さ』。上位チームがマシン開発にお金をかける一方で名城はそれに逆行していくという。上位チームほどの支援を得られていないという面もあるが、彼が語る『安さ』はそうしたネガティブなものではないようだ。『うちはカウルもGFRP(※上位チームはCFRP)ですし、サイドウイングも付けてません。』『上位チームに対してはコスト審査でアドバンテージを得てトータルで戦って行きたいですね。』と話す。当然お金をかければ速いマシンを作ることは可能だが、それによってコスト審査では不利になる。そこのバランスを見て勝ちに行くための『コスパの良いマシン』を目指しているようだ。『安いマシンで(お金をかけた)名工とかに勝ったら面白くないですか?(笑)』という発言からは支援の差に対する卑屈さは微塵も感じられない。

『ひとまず今年は入賞ですね。』と堅実な目標設定を口にするO氏だが、同時に『名工との車間距離は詰められてると思います。1秒差には入れたいですね。』『マテリアルは揃ったので後はしっかり戦うだけです。』と確実な自信も伺える。今年、名城とO氏に期待大だ。