目まぐるしく順位入れ替わるオートクロス、京工繊が堂々のトップタイム【学生フォーミュラ日本大会2023】

例年通り、各チームがエースドライバーを乗せたタイム合戦になった午後のオートクロス。トップは京都工芸繊維大学で55秒台、2番手には56秒台を出した工学院大学がつけ、3番手には千葉大学が入ってきた。

ライバルに対して少し早めのタイミングでコースインした京都工芸繊維大学。チームは時間切れで計測できないことを危惧して早めのタイミングにしたという。「今日の出走タイミングはエンジニア的に早めに出したいというのがあった」「個人的にはコースウォークでコースがダスティなことは把握していたので、少し遅くに出しても良かった」とのこと。持ち込んだマシンについては「前回のエコパからはマシンは変えず臨んだ」「シェイクダウンした直後は内圧低めでセットを進めていたが、上げてからはスラロームでの感触が良くなった」「またデフを変えた効果が一番大きかった印象」とエコパテストで発見したマシンの好感触を語る。ドライバーとしての出来に付いて聞くと「今年は去年と比較しても車検で余裕が出来て、思い切って行けた」「マシンのポテンシャルの9割は引き出せたと思うが、もう少しやりようはあったかなと思う」「2アタック目のスタートは高い回転数で出して、弾いてしまって0.2~0.3秒遅れが出た感じ」「スロットルの遊びもあって合わせにくかった」と本調子とは行かなかったものの、ある程度の完成度でドライビングが出来た様子。「エンデュランスは(エースが)先に走って、タイヤマネジメントしてセカンドにつなげる予定」「総合順位を見た作戦はこれから考えたい」と、ライバルを見ながら準備進めていくとのこと。

少し車検、騒音で手子摺った千葉大学だったが、エースドライバーがきっちりタイムを残してきた。ドライバーの第一声、「予想よりも良かった」と話す。「(大会に来て)サスの部品を壊して、現地でアライメントをとったので心配していたが、これまでと比べてもおかしなところはなかったので良かった」「エンジンも騒音対策で吹き上がりがあまり良くなかったが、2アタック目は高回転域を維持できていて影響が少なかったと思う」とのこと。出走タイミングについても予定通りだったようで、「最初の予定では午前にセカンドドライバー、午後に自分が走る予定だったのでトラブルはあったが概ね予定通りのタイミングに出走出来た」という。上位チームの中では唯一、エコパテストでNewタイヤを履かなかった千葉大学、その点について「エコパテストでNewタイヤを入れなかったのはドライバー練習をしたくて入れなかった」「エンデュランスでタイヤがタレたところも想定して練習していた」「路面は8月のエコパテストと同じ感じで、その時練習した通りに走れた」と準備してきたことが上手くはまった印象だ。

「狙ったタイミングよりも15分遅れてしまって、ギリギリだった」と語るのは2番手につけた工学院大学のドライバー。この日朝から路面の状況が良くない、オートクロスは待つと語っていたチームは、予定通りライバルに対して遅めの出走を選択した。自身の走りについては「タイヤのスクラブが足りなかったのか1アタック目ツルツルでグリップがなかったが、それに気づいてからは動作ゆっくりにしてタイヤの準備をした」「2アタック目はドンピシャの状態だった」「シフトが入らないところがあって、損した」「そこが無ければ55秒台も見えた」と語る。「エンデュンラスは自分が前半スティントでタイヤを準備して、セカンドドライバーに渡したい」「チーム史上初のエンデュランスファイナルで、2番手タイムでファイナルにぶち込みました」「今日は最後全部持っていけた、気持ちよかった」とやりきった表情を見せた。