学生フォーミュラ2021 富山大学|躍進する北陸チーム
この新車、ディテールを見ていけば気になる点はあるが概ねちゃんと出来ている。車両重量も現状で210~220kgくらいとのこと。チームは「(上位チームの)阪大さんは羽根も付いてそれくらい(の車重)なのでまだまだ軽量化が必要」と話すが、ドライバーは「軽くなって前車両とは全く違う、乗った瞬間にポテンシャルを感じる」と現状でも好印象のようだ。
また彼ら独自の取り組みもある。下の写真にある車両の先端につく水色の部品はインパクトアッテネータ(IA)と呼ばれるもので、前面衝突時のエネルギーを吸収する役割がある。このIA、多くチームは海外で作られる専用品を購入して取り付ける、現状では富山大学も海外から購入したものを付けている。軽量化のためにCFRPやアルミハニカムで自作するチームもいるが、自作した場合には圧縮試験のデータ等を大会運営側に提出する必要がある。それに対してこの専用品の場合は試験データ等を提出する必要がなく部品費、海外からの輸送費のコストをかけても工数の面でメリットがある。
彼らはこの専用品の国内企業での製作、販売を試みているとのこと。実際にはあるスポンサー企業と協力し、大会運営側とも協議して将来的には国内チームへの提供を目指しているという。国内での製造が実現し、専用品として認められれば現在海外から買っているチームとしてはメリットが大きい。チームは「新型コロナの影響もあって今は進捗がない状況、まだ時間が掛かりそう」とのことだが今後に期待したい。
メンバーとの話の中では立地からくる情報収集の難しさも語られるが、「僕らはクルマが出来て走ったら楽しいので」と話す彼らは極めてポジティブで、この活動と変化を遂げようとする現状を大いに楽しんでいるように感じた。富山大学躍進の原動力が極めてシンプルなものだったようだ。
1988年生まれ。大学在学中に学生フォーミュラに参加し、卒業後は自動車業界を経験。現在はモータースポーツを主軸とする技術ジャーナリストとして活動する。学生フォーミュラを起点に、競技車両の設計思想や製造の現場、競技を支えるエンジニアの思考を取材・執筆。技術と競技のあいだにある「それを作る人たちの思考」に関心を持ち、現在は国内外のレース車両開発や人へと取材領域を広げている。








