2022 EV占有テスト
静岡大学
大会中にフォローアップ走行(賞典外のフリー走行)にマシンを送り出すが惜しくも1周出来ずにマシンはストップ、悔しい思いをしている静岡大学は大会後もプライベートテストを重ねて今回のエコパテストに臨んだ。チームは「大会後からエラーが出たところを対策して持ち込んだ」「マシンのポテンシャルがエコパのコースでどこまで行けるのか確かめたい」とのこと。
今回参加したマシン3台ともがバッテリーをドライバーの背中に積む。静岡大学は初めてのEV車体ということもあり、バッテリーを積むリア周りの体格が大きくなっている。そこにサスペンションジオメトリを組んだ結果アーム長を十分に取れず姿勢変化にシビアな特性になっているという。一方で重量配分がリアに寄ること(スペック上は37:62)で「リアヘビーなことが良い方に作用して太いトルクでも思っていたよりも運転できる」とのこと。その他「発進が楽でシフトがないためシフトミスもない」というEVならではのコメントも聞かれた。静岡大学はブレーキテストを難なくクリアしスキッドパッド、アクセラと午前のセッションを順調に消化。途中バッテリー制御系のトラブルに見舞われるが対策し午後に臨む。午後、エンデュランスレイアウトでの周回走行が始まる。開始20分ほどしたところで静岡大学がコースイン、大会で叶わなかった1周を走り切る。メンバーからガッツポーズ、拍手が上がる。
その後も走行を続けるがマシントラブルが発生。モーターとデファレンシャルギアの間に遊星ギア(減速ギア)を配しているが、この遊星ギアがブロー。諸事情によりモーター出力に対して遊星ギアの能力が満足していなかったようで、今回エコパの高負荷走行をしたことが引き金になったと思われる。走行残り1時間というところでのマシントラブルにチームは新品ギアに交換を試みる。デファレンシャルギアハウジングを緩めて、モーターとの隙間から遊星ギアを抜くのだが、思いの外作業に時間を要し残念ながら時間切れ。コースに戻すことは叶わなかった。それでもEVに挑戦して1年目でモーターを使うところからエコパを1周するところまで持って来たことは大きい。