学生フォーミュラ、2023シーズンはテスト増、支部合同テストは例年通り8月上旬開催予定。

エコパでのテストには走行以外にも大きな役割がある、それが車検だ。昨年大会では多くのチームが苦戦し、競技に出走出来ない理由となった車検。これを事前に受けることもテストに参加する大きな目的である。特に8月上旬に開催される支部合同テストでは大会車検スタッフによる本番想定の車検を受けることが出来るため多くのチームがこれに参加、プロジェクトの中でも特に重要なマイルストーンとして敷かれている。そんな支部合同テストだが、昨シーズンから若干の変更がされると見られている。昨シーズンは4日間の日程で開催され各チーム1日を模擬車検日(本番想定の車検)、もう1日を走行日として選択する方式が取られた。これは3年ぶりとなった車検/動的審査に対して1チームあたりの車検時間、走行時間を多く取ろうという『特別措置』だったようで、これが変更になると見られている。今シーズンの支部合同テストは模擬車検に合格したチームから順に走行へと移っていく従来のやり方に戻すと見られ今のところ4日間開催となっている。

2022年支部合同テストの車検,岐阜大学
2022年支部合同テストの車検,山梨大学

日程で気になる点は7月のテストが7月末になること。8月の支部合同テストを本番に向けたマシンの最終確認に使うとすると、4~6月にシェイクダウンを完了したチームは8月の支部合同テストまでに少なくとも1回はエコパの走行を入れて、マシンの確認やそこで出た問題点の対策をして支部合同テストに臨める。しかし6月のテスト以降にシェイクダウンをすると、7月末のテストに参加出来る可能性はあるが翌週には支部合同テストが迫っているため問題点が出ても1週間しか猶予がないことになる。

2022年8月エコパテスト,北海道のチームも参加

もちろん問題を解決するだけではない。6月までにシェイクダウンを完了させてエコパを走ったチームは1ヶ月以上のセットアップ等弾込めの期間が得られるのに対して、7月にシェイクダウンをすると弾込め期間が前述の通り1週間と圧倒的に少なくなってしまう。8月19日にもテストが予定されているためマシンの確認は出来る可能性はあるが、支部合同テストのように多くのライバルと同日に比較して立ち位置を確認することは難しくなる。よって現状の日程でテストが開催されるとすると、6月までにシェイクダウンが出来るか、6月末までにエコパを走ることが出来るかが大会での立ち位置に大きく影響してきそうだ。

4月6日におそらく今シーズン一番乗りで名城大学がシェイクダウンを済ませ、学生フォーミュラのシェイクダウンとは思えない快走を見せた。他上位チームも4月にシェイクダウンすると見られている。テスト日程の動向と共に、まずは続々出てくるシェイクダウン報告を楽しみに待ちたい。