「1周目から飛ばしていく」「感じたことを伝えられる」二人のドライバーが強豪ライバルに立ち向かう【岐阜大学】

今年のマシンについて近藤に聞く。「どちらかというと昨年マシンのネガな部分を潰している」「特にフレームの剛性が気になっていて手を加えたところ」「駆動輪をどうやって使うかが自分のテーマになっている」「コーナリング時の荷重移動配分とかが重要になってくるが、フレームの捻じり剛性が低いとロール剛性配分等セット変更をしても感度が低くなってしまう」「昨年はそのセット変更の感度が低い印象で、セットを変えてもドライバーのコメントが変わらなかった」「原因として昨年はフレーム剛性の狙い値が低かったことと、(設計段階の)解析条件に誤りがあった」「そこを改善して、今年は昨年比で3.6倍くらいの捻じり剛性が出せそう」とのこと。

今年フレームというマシンとして基本的な部分のネガを潰しこんで来た目的は2024年以降新しいことに挑戦して、さらに速いマシンを目指していくためだと語る近藤。またフレーム剛性アップによる影響については「今年はセッティングが大きく変わってくると思うが、(上位を目指すマシンとしては)セットがぐちゃぐちゃになったところがスタートだと思う」「今年は60秒で満足するつもりはない、2019年以前のレベルでもエンデュランスファイナルに持っていけるマシンを用意するのが使命だと思う」とも語る。

近藤が2019年以前のレベル、としたのは訳がある。「2019年の横国が速くて、うちと同じ4発縦置きOD16(10インチ低扁平タイヤ) のパッケージでオートクロスは55秒台を出していた」と同じパッケージのライバルとして近藤があげた横浜国立大学、その横国はEVに転向しパッケージは大きく変わる。「倒せない壁を追っかけている感じ、(エンジン縦置き10インチのパッケージを続けるなら)そこまで持っていかないとうちは評価されないと思う」「エンジニアとしてプレッシャーを感じるがきちんとマシンを作り込んで行きたい」という言葉からは上位でさらに存在感を示したいという意思を感じた。

2023年テクニカルディレクター,近藤
2023年マシン,フロントビュー
2023年マシン,リアビュー

小堀は「これだけど素人が乗ってあれだけタイム出た」「新入生でカート経験者とかが入ってくればもっと上がると思う」とマシンのポテンシャルを感じている様子。同じく安藤も「車としては本当に良い」「昨年走り込みが出来ていればもっと良い状態だったと思うので、頑張って行けばこのまま(のポジション)に残れると思う」と語る。実際にマシンの速さが見える動的審査、昨年そこで確実に存在感を示した岐阜大学がこの先も上位に居続けられるか、今年が正念場になりそうだ。

ドライバー,安藤
ドライバー,小堀

岐阜大学フォーミュラレーシング公式HP
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